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November 06, 2012

◇「高地戦」(その2)

▼万里の長城のツアーを企画した会社の記者会見で「想定外」という言葉が飛び出した。どこかで聞いたセリフだと思ったら、福島第一原発が地震と津波で被害にあったときの東電幹部の発言と同じだった。他人の命を預かる仕事をする立場にある者は「想定外」という言葉で逃げるのは許されない。みんな一様に同じセリフを吐くのだから、おそらく「失敗したときの記者会見マニュアル」なるものが存在するのだろう。もう一つ出てくるセリフは「もう一度だけチャンスを与えて欲しい」というもので、神奈川県警の不祥事、トレンドマイクロのミスの釈明でも同じセリフが使われていた。
◇「高地戦」(承前)なぜ韓国軍兵士たちが酒を飲んでいたのか?カン中尉は調べて行く。すると高地のぶんどり合戦をしているのだから、一時的に撤退しても再びこの峰を占領するときが来る。そのために残った食糧を小屋に埋めて行く。韓国軍が撤退して再び占領したとき、埋めた場所を掘ると北朝鮮軍の汚物が埋まっていた。それでも次回の撤退のときチョコレートなど甘味料を埋めて行き、次に掘り出すとマッコリが埋められていた。最初は毒かと思って恐る恐る飲んで見ると焼酎だったので大喜びする。
▼そんな峰の攻防戦が続いていると、ある時写真や手紙が埋められている。そして事情があって北朝鮮軍に入っているが、これをふる里の肉親に届けて欲しいというメッセージが入っている。そして前線の兵士たちの交流が密かに進んでいたのだ。韓国軍の兵士の間で恐怖の「二秒」という言葉が囁かれていた。カン中尉が調べると、それは北の腕利きの狙撃兵の略称で、狙われた兵士が倒れて二秒後にライフルの発射音が聞こえるというのだ。斥候に行って自らその恐怖の体験をする。そして敵の狙撃兵はエモノが息絶えるまで執拗に撃ってくる。
▼しかしこれは映画の描写であり、現実の狙撃兵はギリー・スーツ(全身を覆う、枯れ葉や草を使った偽装服)を着ており一発で必ず息の根を止める。2秒だから音速から計算すると700メートルの範囲に狙撃兵はいる筈だ。カン中尉は一度だけその姿と顔を発見する。現実には顔にも迷彩ドーランを塗るから見えないはずだ。そして敵はどうやら女性兵士であると感じる。それはあの土に埋められていた一枚の写真に写っていた少女のようにも見える。
▼そして停戦と喜んだのも塚の間。12時間後の停戦条約が発効するまで“エロック高地”を守るために徹底的に殺戮が始まる。事態は陣地戦から白兵戦になっているので、米軍が投下した爆弾は味方の上に降り注ぐ。そして遂に女性狙撃兵と遭遇する。狙撃兵の銃は単発式で装弾しようとするが上手くいかない。その瞬間をついてカン中尉は銃剣で相手の胸を刺す。いずれにしても狭い“エロック高地”という領土をめぐる戦いは、両軍兵士の死体の山を築くだけだった。

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