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February 06, 2013

▼「遙かなるキューバ」(その16)

▼先日都内の地下鉄に乗っていたら30代の若いカップルに席を譲られた。毎週国会前で2時間突っ立って抗議活動に参加しているわたしは「あと一駅ですから」とお断りした。しかし男性の方は「いったん立つと引っ込みがつかないので、座って欲しい」にこやかにとおっしゃった。それもそうだなと思って家族だけありがたく好意をお受けした。今後、好意はありがたく感謝して受けなければいかんと思った。
Goymin
(民謡を演奏してくれた漁民のアーチスト)
▼「遙かなるキューバ」(その16)ヘミングウェイの家から車で5分ほど行くと、現地速報でご紹介した要塞跡に着く。ギターを持った老人が2人来て「ハポネ」と言って曲を弾き語りする。MINさんは何ペソか寄付する。海は汚れているし村はかなり貧しそうである。ガイドは生前ヘミングウェイは漁師と友達になり、彼が死んだとき漁師たちは船のスクリューを売ってモニュメントを建てたという。金持ち作家と貧しい漁民の間に友情は存在するのだろうか?お金持ちの作家はおそらく漁民たちに何らかの寄進をしていたのだろう、と思った。要塞は現在ではキューバ軍の監視所になっているという。だが兵士の姿は見えなかった。
Douzo1
(漁民のカンパで作られた胸像)
▼それから海岸通りに政府が作ったという、巨大マーケットに案内してもらった。家族に土産を買わなければならない。何を売っているのかと期待して入ったが一軒3坪くらいの民芸品の個人商店が寄せ集まったものだった。ある店ではゲバラの似顔や写真、置物それに缶バッジ等を売っているが、ゲバラの顔とは似ても似つかない商品が多かった。ネコグッズなどを買って早々に退散する。
Ajende
(右がアジェンデのサイン、左は有名なフランスの作家サガンとある)
▼まずヘミングウェイの行きつけの酒場だ。ここでは初日に来た小さな店だったがラム酒を飲んだ。観光客が自由に自分の名前を水性ペンで落書き出来るようになっている。客は全員観光客で地元キューバの人たちはいない。高いから地元の人は自由に入れないのだろう。壁を見るとある有名人のサイン入り色紙のようなものがあった。サルバドール・アジェンデとある。おおチリの元大統領でアメリカのCIAに唆された軍部のクーデーターで殺害(近年では自殺といわれている)された。その最後の瞬間キューバを訪れたときフィデル・カストロからプレゼントされた、旧ソ連製AK47突撃銃を持っていた。アジェンデもこの店に来ていたことを知りジーンとなる。
Daikiri
(これがヘミングウェイが愛したダイキリ)
▼もう一軒先日のNHKBSプレミアムでも紹介された店で、ヘミングウェイのブロンズ像がある。店に来た人は皆その脇に座って写真を撮って帰る。ここで飲んだのは雪状の細かく砕いた氷の入ったダイキリで、大きめのカクテル・グラスに入っている。しかしこんなの一杯飲んだだけで原稿など書けなくなる。彼は毎日数杯飲んで帰ったらしいが、飲んだらもう寝るしかない。わたしたちは夕食も食べずに眠ってしまった。

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