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February 03, 2013

◇「東京家族」で感じたことなど。

Ajifry
(京橋の居酒屋で食したアジフライ定食、フワフワで美味850円)
▼有楽町ヒューマントラストへ「二郎は鮨の夢を見る」初日2回目を見に行った。偶然映画にも出演している料理評論家の山本益博さんの舞台挨拶があり、「撮影の裏話」を聞くことができた。詳細は後日ご紹介する。「塀の中のジュリアス・シーザー」も見ている。執筆している新聞の「シネマ」は締め切り日が今週なので、そろそろブログに下書きを書き始めないと。
◇「東京家族」知られているように小津安二郎の「東京日和」のオマージュである。小津作品が公開されたのは1950年で太平洋戦争が終わってまだ5年しかたっていない東京だ。当時の蒸気機関車は一昼夜かけて広島の尾道から東京まで走る。老夫婦は下町荒川あたりで医者をしている医者の息子を訪ねてくる。久しぶりの再会に喜んでくれるかと思った息子は往診で忙しい。美容師をしている長女も同様。この辺の設定はあまり変わらない。前作では箱根の旅館で客の麻雀の音がうるさく、今回は横浜のホテルで中国人観光客がうるさく1泊で逃げ帰る。
▼しかし居場所がない。そのあと前作では母は戦争未亡人の原節子の家に泊めてもらう。今作では次男の妻夫木のアパート。このとってつけたような設定に無理がある。舞台の大道具のアルバイトで食いつないでいる彼が、なぜ都心にイタリア製フィアットの中古車に乗れる身分なのか?さらに東日本大震災の復興支援にかけつけば場所で蒼井優と知り合って、その場でプロポーズという設定。
▼前作では杉村春子演じる長女で芝居は成り立っていたが、今回の長女中島朋子では、その演技に差がありすぎる。今回の監督は山田洋次だから、映画作りの押さえどころはちゃんとツボを押さえている。だから泣かせる場面はたくさんある。親しい人との別れと再会、それに知り合えなかった人と心から信じることができるようになる場面。青井が家族の一員として認められる場面。これはもう映画作りの泣かせどころの基本だからソツはない。
▼しかし見終わって、「そんなことあり得ないよ」という場面が多すぎる。特に瀬戸内海の島に一人で生きて行くという橋爪功。妻を演じた吉行和子が68歳で死んだという設定である。ということ彼は75歳くらいだ。隣近所が、洗濯物をして協力してくれるのも、おそらく半年で終わるだろう。口さがない田舎では息子、娘が東京にいながら何をやっているんだろう。と白い目で見られるのは時間の問題だ。橋爪は教師をしていたから年金は高い。長男は医者をしていてカネがあるから遅かれ早かれ介護施設に入れられるのは目に見えている。そういうジレンマで悩んでいる人たちが日本では溢れている。そこかれ逃げてしまって綺麗事で終わっているように思えてならない。

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