« 1日2万歩で仕事と抗議活動にあけくれる。 | Main | 日米会談でNHKが意図的な「誤訳」か? »

April 29, 2015

◇「やさしい女」を見る。

▼路上に頭から血を流している倒れている若い女性,顔は見えない。パリで質屋の店を出している男は、日本の質屋のように客が持ってくる物を品定めして、相応の値段をつけ金を渡す。ある日、若い美しい女(ドミニク・サンダ)がやって来る。そして古いカメラを男の前にさし出す。「立派なカメラだ」と男が褒めると、彼女はそれをひったくるようにとって帰ってしまう。
▼次にやって来た時は、まったく価値のないパイプだった。男は「あなただから特別に」と高いカネを払う。女は評価の高い金額を黙って受け取る。3度目に来た時、彼女は男と初めて口をきく。不思議なことに男は冬の動物園で、女にプロポーズする。しかし彼女は「人を愛するのは不可能だ」と訴える。男は彼女に、世の中の女性はみな結婚を考えるのだ」と結婚を承諾させる。
▼結婚式は終り、彼の言いつけ従って、つつましやかな生活が始まる。ある日、常連客の老婦人が持って来たカメオに彼女がとんでもない高値をつけてしまう。そこから「俺の稼いだカネを勝手に使うなと、二人の間は険悪になっていく。さらに、常連客の男と彼女が親しげにしているのを見て、夫は激しい嫉妬に悩み、尾行する。そんな束縛される生活に嫌気を感じる。ある日の夜明け近く、彼女が夫のデスクに仕舞ってあったピストル取り出し、眠ったふりをする彼に銃口を向ける。だが引き金はひかない。
▼その後、彼女は重い病に陥り長い間、数ヶ月も寝込んでしまう。冬がきて、彼女はようやく病いから快復する。ある日彼は、彼女に、「パリを離れて別な場所で再出発しよう」と穏やかな表情で語るのだた…。途中、朝食でスープを飲む場面がある。彼は一匙掬って、口に入れる前に「フーフー」ふいて覚ましてから食べる。しかし彼女は覚まさずそのまま口にいれる。このシーンで分かるのは,あまりにも生活環境が異なる二人だった、という事をワンカットで表現している。自殺してしまった若い妻の死体を前に、夫は2年間の夫婦生活を振り返り、、夫婦とは、人を愛するとは何かを問いかける。ドストエフスキーの同名の短編が原作である。ドミニク・サンダはわたしのもっとも好きな女優で、この作品がデビュー作である。

|

« 1日2万歩で仕事と抗議活動にあけくれる。 | Main | 日米会談でNHKが意図的な「誤訳」か? »