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March 28, 2016

「国防軍とヒトラー」3、B氏の投稿から。

▼編集長がブログに書かれた「武装親衛隊SA」という組織は存在しません。SS(親衛隊)がSA(突撃隊)から独立した後、占領地のユダヤ人を処分する特別行動隊(アインザッツグルッペ)が誕生し、やがて、敵地でも行動できるように武装親衛隊(ヴァッヘンSS)が生まれます。SAは「長いナイフの夜」以後は、組織としては存続しましたが政治的には力を失い、ヴィクトール・ルッツェという無害な人物が幕僚長になりました。SSはSAに恨まれますが、ヒムラーは、SAからの独立を契機として政治的な力を付けて行き、あっという間に事実上、国内の№2にのし上がります。そういう意味で、SA排除を意図したハイドリヒの行動は正しかったと言えます。「長いナイフの夜」が実施される以前に、ハイドリヒ達はSAだけではなく、ヒトラー内閣を脅かす可能性のある者を排除する為に「リスト」を用意しており、粛清劇が始まった途端に、SAとは無関係の人間にも襲い掛かりました。嘗てのナチ党ナンバー2だったグレゴール・シュトラッサー、ヒトラーの前の首相だったクルト・フォン・シュライヒャー将軍といった人達も殺害され、犠牲者は200人を超えると言われています。陸軍の中には、シュライヒャー将軍が殺害された事や、粛清に陸軍が関わった事に抗議する勇気ある将軍達もいましたが、連名の抗議書はブロンベルク国防大臣が握り潰し、ヒンデンブルグ大統領の元には届かなかったものと見られます。
▼陸軍の主流派は、軍にとって代わろうという野望を隠さなかったレームが除去され、SAが政治的に無力になった事を歓迎しました。後にヒトラー暗殺を企てるシュタウフェンベルクですら、この粛清劇を歓迎していたほどです。国内的には「SAがクーデターを企てていた」と後付の理由が説明され、7月3日の閣議では「(1934年6月30日~7月2日に取られた措置は)国家による正当防衛として適法である」旨が宣言されました。7月13日にクロール・オペラ劇場で開かれた国会で、ヒトラーは同じ説明を繰り返します。こうして、大量殺戮は正当防衛に置き換えられました。あろうことか、当時の著名な憲法学者であるカール・シュミットですら、この措置を承認し、擁護したのです。「長いナイフの夜」を切っ掛けに、軍・財界・国民は名実ともにヒトラー支持一色となり、この「関係」は、実質的にはともかく名目的には10年後の1944年7月のヒトラー暗殺未遂事件まで続くことになります。←後半の投稿、ここまで。 参考文献は、主として、「ヒトラー 権力掌握の20ヶ月」(グイド・クノップ著/中央公論新社) 「髑髏の結社・SSの歴史(上下)」(ハインツ・ヘーネ著/講談社学術文庫)によります。
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▼以上B氏の投稿でした。ありがとうございます。A氏のスピーチでも登場し「長いナイフの夜」は小説もありますが、絶版になっています。昔読んだ「国防軍とヒトラー」も近くのS区図書館にはありません。たまたま土曜日から読み始めた「スターリン秘史」1巻(全6巻)「巨悪の成立と展開」(不破哲三著)がドイツの国会放火事件から話しがはじまっており、テーマはデミトロフの裁判です。ここで当時のナチスの国防軍とSAの力関係が描かれていました。
▼わたしにとって抗議活動に参加することは、時間がなくなり読書する時間が削られることになります。25日の例で言えば、往復の時間も含めて延べ7時間使いました。7時間あれば1000ページの本は読むことができます。現場に来ないで自宅のPCに座っているみなさん。ぜひたくさんの本を読んで、わたしが知らないことを教えて下さい。
▼昨日のツイートでご紹介した辺見庸さんのインタビューで重要な言葉があります。2段目「若い人が危機感をもっのは良いが、あれは運動ではない、迂遠で深い思想、内面をえぐる言葉が必要だ」という部分です。YouTubeで自分の撮影したもの、友人が撮影したものを比較すると「コールで威勢の良い」ものはアクセスが多い。これは自分が参加していると勘違いして、良い気分になっているのでしょう。だからいつまでたっても現場に足を運ばない。自分だけだ安全地帯にいては何もかわりませ。IBMの昔のスローガンは「THINK.THINK」で会社中にスローガンがはってありました。現象に囚われず、見た目の派手さに惑わされないで、自分のアタマで考えて行動しましょう。いつまでもタコツボに入っていても首を出してタマをうたなければ、空砲では雀も驚きません。

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