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March 14, 2016

◇「牡蠣工場」を見る。

▼今週も連日忙しい。とくに週末の土曜日は学習会の講師をしなければならない。そのための本の読み込み。レジュメを作らねばならない。さらに原子力規制委員会の傍聴が夜と午後に都合2回ある。
▼昨日YouTubeでご紹介した「キューピッド・ガールズ」の商店街盛り上げビデオを撮影した。もちろん事前に主催者にお断りしてある。ところがリサイズして午後2時ころアップロードを終了して数分したら運営母体のGoogleから「著作権法に触れているという異議申し立てがあった」というのだ。彼女たちの歌は問題ない。考えて見たら最後の10分くらいで、別の着ぐるみを着た芸人が、プレスリーの歌が流れるので、それだろう。この半年間で「警告」は3回来た。1回目はモンサント東京本社で抗議をしているのを録画してアップしたら、バックに某ロック歌手の歌が入っているとして、アップを拒否された。次は1ヶ月前の「総行動」で抗議が始まる前にバックで「イマジン」が主催者によって流されており、これが「警告」されたので「著作フリー」の音楽に差し替えた。当然現場の雰囲気は伝わってこない。
▼あるときはアップロード中に「この曲には著作権がある」と警告がでる。この監視システムは一体どうなっているのだろう、と思う。もしTPPが発効したら、この状態はもっと激しくなり、映像だけではなく、文字情報、あらゆる分野に介入してくることが予想される。
◇「牡蠣工場」(かきこうば)想田和弘監督の最新作。震災よりも10年ほど前に仙台の友人と会って居酒屋に行って牡蠣を食べて「さすが宮城の牡蠣はうまい」というと、「ほとんどが広島から来ているのだ」と聞いて驚いた事を思い出した。
▼牡蠣漁というと、クレーンで生け簀から牡蠣が繁殖した網を引っ張り上げ、それを一挙に釣瓶落としのように落として網から牡蠣を分離する場面だ。想田監督はほとんどナレーションもBGMも排除して、監督自身がカメラを担ぎ、被写体となる人々と会話しながら撮影する。場所は岡山県の牛窓の牡蠣工場、かつては20件くらいの牡蠣工場があった。しかし過疎化と仕事がきつい「工場」は働き手が少なく、現在では6軒余りの「工場」しか残っていない。
▼宮城県南三陸町で牡蠣工場を営んでいた渡邊さんは、東日本大震災で自身の工場が壊滅的な被害を受け、牛窓の地に移住し工場を継ぐこととなった。まったく別な仕事を選ぶよりも、多少身に覚えのある仕事を選んだのだ。渡邊さんの二人の娘さんも学校が終わった時はお父さんの船の近くに来て遊んでいる。監督の問いに「放射能が高いところに娘を住ませることはできない」と答える。クレーンから牡蠣を振り落とす場面は同じだが、ロープにしがみつく牡蠣を何度も繰り返して振り落とす。
▼高台に昇ると長島(岡山県瀬戸内市)にある国立ハンセン病療養所「長島愛生が見える。光り輝く海東北jの海とは違って見える。牡蠣の殻を割って「身」を取り出す仕事は職人ワザで手早くすすめる。ここに住む若い漁師の妻は「夫が試しにやってみたが4個剥いたら、もう出来ない」と放り出したというくらい地道な仕事だ。
▼渡邊さんは監督の「日本人は来ないの?」との問いに「3Kだからね」と言う。娯楽や店もないところでは働きたがらないに違いない。作業は爺ちゃん婆ちゃんの仕事で、慢性的な労働力不足のため、渡邊さんの工場でも中国からの労働者を雇い始めた。しかしベトナム人は冬は耐えられないと帰国した。言葉や文化の違いによるコミュニケーションの難しく、隣の工場では、4日で二人の中国人労働者が帰国する事態に直面した。
▼しかし労働力は必要だ。渡邊さんは大枚62万円でプレハブユニットハウスを建て、中国人労働者を2人迎える。言葉はニーハオとシェイシェイしか通じない。牛窓という小さな町の日常生活から、少子高齢化、過疎化、移民問題、さらに震災の影響と、このままで日本は立ちゆかなくjなってしまいはしないだろうか?小さな瀬戸内海の町からさまざまな問題が見えてくる。白いネコ「しろちゃん」もグローバル化の中で逞しく生きる。渋谷イメージフォーラムで上映中。

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