« 「司法取引18年にも導入」という25日東京新聞の記事から。 | Main | 北海道の自衛隊の空砲事故の真相は? »

May 27, 2016

シャンテシネで◇「マクベス」を見る。

▼某日「プレバト」なる番組を見ていた。この番組の前半でタレントに俳句を作らせて、専門家の夏井いつき先生ばビシバシと添削するコーナーだけはとても面白く、言葉の使い方の勉強になる。この日は日光の華厳の滝を遠足に行った生徒が見て歓声を上げている場面(動画)を見て一句作らせる内容だった。京大出身のタレント辰巳琢郎は教養があるところを見せたかったのか、藤村操の「巌頭の感」の「悠々たる哉天壌、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て此大をはからむとす。ホレーショの哲学」というあれである。辰巳はここから「悠々たる」の部分を引用したが、なまじ教養のあるところを見せつけようとしたため、失敗し評価は低かった。
▼わたしがこの藤村操の事を知ったのは中学生の頃で、当時「人間の条件」(初版本)などを出版していた三一書房から「自殺論」という本が出されており、そこに紹介されていた。今回は藤村操そのものではなく、後半に出てくるホレーショである。この名前は近年アメリカのクライム・サスペンス「CSIマイアミ」の主人公として知られている。ホレイショ・ケインが主人公で演じるのは デヴィッド・カルーソ だ。彼は「ランボー1」で下っ端警官として出演している。このホレーショは言うまでもなくシェイクスピアの「ハムレット」に出てくる墓守の名前から付けられている。
◇「マクベス」あまりにも有名なシェイクスピアの戯曲。いま有楽町のシャンテシネで公開されている。かなり本格的な作品に仕上がっている。内容はみなさんご存じの通り。舞台は中世スコットランド。人びとから尊敬されている人格が高く慈悲深いダンカン王がいる。その彼に仕えるのは将軍マクベスだ。彼は、反乱軍との激しい戦闘の末制圧し勝利をする。ところがその帰路、謎めいた3人の魔女が現れ「マクベスは領主になり、そして王になるだろう」という不可解な予言を囁く。マクベスの妻は、夫を王位につかせるため、王の暗殺計画をたてる。妻は夫を「いまがチャンス」だと煽り、後押しすることによってマクベスはイングランド王ダンカンの殺害を成功させ、王の息子がイングランドに逃げたのを幸い、マクベスは念願の王座を手にいれる。
▼しかし、ここから悲劇は始まりまる。彼の残虐な性格は自身を変質狂的な暴君へと変貌させる。敵とみなした人物は、人里はなれた寂しい森に誘って殺害し、その幼い子ども達をも容赦しない。そのため国中に殺人、狂気、不安が蔓延していく。そして、マクベスの国王への就任式で幻影を見たまま、参加者に不安を与える。そして裏から采配を振るっていた愛する妻の心も狂気に駆り立てる。手足が千切れる戦闘シーンのリアルさは「ブレイブハート」のようだ。そして荒涼とした大地や、赤い霧が立ちこめる宿営地の幻想的なシーンが、権力欲と破滅のドラマを演出する。

|

« 「司法取引18年にも導入」という25日東京新聞の記事から。 | Main | 北海道の自衛隊の空砲事故の真相は? »