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August 17, 2016

女優、渡辺美佐子のこと。

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(学徒動員で被爆死亡した生徒たちの中に水氷龍男の名前が…)
▼台風はたいした影響もなくて良かった。15朝、WOWOWノンフィクションW「君のことを忘れない・女優渡辺美佐子の戦争と初恋」が放送された。わたしは20年以上前にNHKで(まだモノクロ放送だった)彼女の一人芝居「化粧」を見て衝撃を受けた。その後「化粧」の舞台は2度見た。1度は労音会館だったが、もう一度の会場は忘れしまった。みなさんも機会があったらぜひご覧いただきたい。渡辺は毎年夏になると、気心の知れた女優仲間と戦争体験の「朗読劇」を持って全国を回っている。それは女優たちに1年間に読んで印象に残った戦争体験の記録を持ち寄ってもらう。それを台本をして朗読劇の「夏の雲は忘れない」にするのだ。
▼渡辺がなぜここまで戦争に拘るのか?それは彼女自身が、太平洋戦争時に戦火を逃げ惑った経験を持っているからだ。それに映画デビュー作『ひめゆりの塔』(1953)では、地上戦となった沖縄で自害した女学生を演じた。渡辺がライフワークとして28年にわたり続けているのが、上記の朗読劇である。
▼実は朗読劇を始めたきっかけのひとつには、初恋の少年の存在があった。渡辺は麻布にずっと住んでいた。小学生時代にとでも気になる同級生がいた。あるときそっと彼の後をつけると、海外に駐在している親をもつ人が入る寄宿舎に入っていった。彼はすぐに転校して行った。再会を望みながらも月日は経つ。後に女優となった渡辺は、「小川宏のモーニングショー」で会いたい人を捜してくれるというので頼む。するTV局は、彼を捜し当てるので驚く。するとその同級生が1945年8月6日の朝、疎開先の広島で勤労動員に出かけたまま帰らなかったことを知る。
▼スタジオにはご両親がいらし、渡辺が息子の事を覚えていてくれた事に感謝する。それ以降渡辺は時間を作っては平和公園の近くにある本川のほとりにある勤労動員された被爆して亡くなった321人の生徒たちの墓碑に掘られている彼の名のをいとおしむようになぞる。そして最近分かった事は被爆を逃れて生き残った彼のお姉さんが、「クラスに縮れ毛の女の子がいた」とちゃんと記憶していてくれたことに驚く。

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