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October 19, 2016

◇「築地ワンダーランド」を見る。

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(アサヒレッドアイ)
▼約1年振りにアサヒのレッド・アイが店頭に並んだ。これはカゴメとアサヒが共同開発した、トマト酒だ。ビールでもないし、発泡酒とも違う。昨年の夏はこれが気にいってずっと飲んでいた。ところが秋に店頭から姿を消してしまった。近くの大型スーパーにあるときはまとめ買いしていたが、なくなると寂しい。もちろんネットでは買えたが、それほどまですることもない。ならばと思って、カゴメのトマトジュースを買って、様々なアルコールと混ぜて実験したが、同じ味にはほど遠かった。店頭で140円だからビールよりは20円から30円安く、発泡酒よりは安い。わたしはメーカーの回し者ではないが、興味のある方は一度試飲していただきたい。トマト100%という切り口が,何となく「健康志向心」をくすぐる。
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(東劇に貼ってあったポスター)
◇「ツキジ・ワンダーランド」(原題はローマ字表記)いま移転問題で話題になっている「築地市場」。そもそも江戸時代に、幕府は今の日本橋の当たりに巨大な市場を作って、魚を流通させようとしていた。そこから魚を積んだ船からの荷揚げの利便性を考えて今の築地あたりに市場は移転したのが、そもそもの始まりである。今東京都の小池知事は「劇場」で自分の姿を露出することに懸命になっている。だが彼女の本当の狙いは、豊洲移転を中止することではなく、世代交代が起きている築地の仲買事業を潰してしまうことだ。
▼このドキュメンタリーの最初の部分で築地の取引金額は一日30億円と出てくる。世代交代をきっかけに、商社などにこの仕事をやらせてしまおうというのが狙いであろう。それで免許制とかいろいろ模索されているようだ。主としてここに登場するのは仲買人さんたちである。長い人では親子3代で仲買人をしていらっしゃる。彼らは一様に、「漁師さんが命をかけて捕った魚を新鮮な状態でキチンと消費者の手元に届けるのが、自分たちの仕事である」と胸を張る。
▼築地には世界の海で取れた魚が集まって来る。また買う人たちもニューヨークで店を開いている人達もいる。そこには長い間培われた「信頼」が宿っている。1ヶ月先まで予約待ちだという、寿司の名店「すきやばし二郎」の店主をして、「自分たちに魚の目利きは出来ない。仲買人を信頼して任せる」という。この店には安倍とオバマが来た店としても有名だが、「二郎の鮨の夢を見る」にも登場した、山本益博氏はこの店主の素材選びに拘るすごさを語る。
▼名前は忘れてしまったが築地にかよって論文を書いているフランスの学者は「築地市場は物を売り買いする場所ではなく、情報が交差するところだ」ともいう。ハーバードの学者も築地を絶賛して止まない。「築地市場に一度入ったら、騙し騙されても文句を言えない世界だ」という言葉もある。セリの駆け引きはまさにそういう場でもあるかも知れない。しかしセリ人たちは、ネタの新鮮な魚を必要としている料理人の顔を思い浮かべるから,駆け引きで競り落とすのだ。
▼だが魚は新鮮ならば美味しいかというとそうとも限らない。セリ人たちはそれを知っている。海流に揉まれた大間のマグロがうまいとか、関サバがうまいとかいう人達がいる。しかし季節と水深によって回遊するプランクトンが異なる。いわば棚との距離だ。それさえもセリ人たちは知悉している。
▼戦災にも遭いながら築地を守ってきた、築地の仲買人たちの心意気は,大晦日の仕入れと,小さな店舗の清掃が終わって「手締め」の姿がまぶしいほど伝わってくる。東銀座東劇で午前11時一回だけ絶賛上映中。

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