« 千葉県最高峰愛宕山への道 | Main | 野党が抵抗しないTPP国会はきょうがヤマ場 »

December 08, 2016

◇「カレーライスを一から作る」を見る。

▼水曜日のTPP、FTAに反対する行動の一部が終わって、地下鉄でいつものように帰宅する。車内のディスプレイでは「4℃」という宝石のCMが流れていた。前にいる男性のあとを、若い女性が追っていき、ジャケットの右ポケットに手を突っ込む。手にはパッケージされた宝石の箱が握られている。上着の外ポケットに宝石を無造作に入れて歩くなど、日本では考えられないシチュエーションだ。
◇「カレーライスを一から作る」武蔵野美大教授の関野吉晴教授は探検家にあって医師である。関野教授は昨年ゼミで「一からカレーを作ってみよう」と生徒を募集する。キャンプでレトルトカレーを暖めてつくるのではな。食材から調味料、一切を自分たちで作るのだ。
▼畑を下見に行くとき、休憩で弁当を食べる場面がある。生徒たちは一様にコンビニのサンドイッチかおにぎりで、関野はバナナを一本食べるだけだ。畑を借りて有機肥料や農薬は一切使わない。ある生徒は人参の生育が遅れているので、化学肥料をやろうという誘惑に何度も襲われる。ジャガイモの原産地は南米である。しかしスペイン人たちは大きいジャガイモだけ持ち帰ったため、病気が流行ったとき、すべての種が感染し多くの人間が餓死したことで、種子の多様性の重要さを生徒に教える。ダイコンなどはほぼ順調に育つ。調味料のコリアンダーやスパイスに使う唐辛子、茶色を出すウコンは苦労する。そして肉は何に使うかと相談し、ダチョウを3羽購入し幼い時は生育が難しいので専門業者に育てる事を依頼するが、餌付けが難しく3羽とも死んでしまう。
▼代わりに選ばれたのはほろほろ鳥,烏骨鶏を育てる。しかし学校の庭に小屋を造ってエサを与えていると愛着が沸いてくる。果たして殺して良い物かゼミのテーマとなる。あるときは芝浦市場の屠場の労働組合の委員長を呼んで、仕事に対する態度を説明する。関野自身も墨田区に住んでいて、八広にある豚の皮をなめす仕事をしたことがあるが、厳然たる差別が存在していることを話す。
▼ゼミでは最初食べるために鳥を飼うことを決めた。ペットと食料は前者は擬人化しているので自ずから違う。という話になる。米も田んぼを借りて田植えから除草、天日干し、脱穀を行う。さらに塩は海に出かけ海水を汲み4時間かけて塩を精製する。冬のある日、さて鳥をどうやって締めるかだ。関野は自分で一回見本を見せ、「誰か首の骨を折る事ができるか?首を包丁で切断できるか?」と学生を募集する。飛び散る血液、血抜きのためにすぐさま70リットルのビニール袋に詰める。解体すると胃袋にはまだエサが残っており,ひとつ一つ内臓の確認も行う。
▼そしていよいよ試食。見栄えは市販品と比べて悪いが何と美味しいのだ、ということに気づく。わたしたちは汚い、嫌な部分を見せられない。それでパッケージ化されたものだけ食べている。しかし植物を含めてわたしたちは彼らの命をいただいて生きながらえていることに気づくのだ。ポルポレ東中野で明日9日まで。

|

« 千葉県最高峰愛宕山への道 | Main | 野党が抵抗しないTPP国会はきょうがヤマ場 »