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February 21, 2017

◇「海は燃えている」を見る。

▼連日のTVニュースショーでは、クアラルンプールにおける、北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏の暗殺事件が報じられている。どのチャンネルを回しても、一様に空港での暗殺容疑者のTシャツから、殺害の瞬間を動画や再現映像を使って繰り返し流す。果たしてこれはわたしたちに必要な情報なのだろうか?必要ないと思う。日本の国会では共謀罪、水道民営化法案、さらに南スーダンにおける自衛隊の作戦日誌に隠蔽問題が論議されようとしている。それらがうまい具合に飛んでしまっている。はっきり言って暗殺の方法など見せられても、何もやくにたたない。強いて言えば安倍内閣とアメリカの「拉致や暗殺を平気でやる北は怖い国だ」という北敵視政策を増幅させるだけだ。一番怖いのは安倍内閣であることを忘れてはならない。
▼みなさんが心配して下さった足のかさぶたは風呂に入ってふやけさせ、娘に貰ったローションを塗っていたら、日曜日の夜にぽろっと取れた。これで靴の紐をギュッと強く結ぶことが出来る。
◇「海は燃えている」イタリア最南端、北アフリカにもっとも近いヨーロッパ領の小さな島、ランペドゥーサ島。レーダーは24時間避難民が乗った船を探している。そして無線にはたどたどしい英語で「大勢船に乗っているが食料も水もない。死にそうな人が大勢いるので助けて!」と叫ぶ女性の声が聞こえる。基地局では「必ず助けにいくから落ち着いて場所はどこか教えてくれ」となだめる。この島で暮らす12歳の少年サムエレは、友だちと手作りのパチンコで遊ぶのが大好き少年だ。木の枝を切ってYの字に太いゴムをかける。石を弾にして、最初はサボテンに向かって弾く。そして次第に腕を上げて島に生息する小鳥を仕留めようと考えている。
▼子どもたちは遊びながら、時に漁師である父について漁にでる。しかし船酔いはなかなか慣れる事ができない。そして島の人々は漁師だったりして平穏な暮らしをして生きている。だがこの島にはもうひとつの顔がある。それが最初のシーンにつながる。この数十年間、アフリカや中東から船でやってくる移民や難民にとって、ランペドゥーサ島はヨーロッパの玄関口となっていた。人々は平和と自由で幸せな暮らしを求め、闇の手引きをする男たちに1500ドルくらいを原って命がけで海を渡ってくる。
▼しかしそのオンボロ船と船倉の劣悪な環境過程で多くの人が命を落とす。少年たちの遊びや船になれる方法はエピソードである。しかし救助に向かう沿岸警備隊の人々もまた命がけである。死体から運び出し、その証拠に医師は耳を切り取るか、指を切り取らねばならない。警備隊員は伝染病の危険から身を守りながら、保温シートを持って難破船に乗り込む。彼らが上陸すると一人ひとりの身体検査や荷物検査をして顔写真を撮り、認識番号を入れ、分かる限り国籍を記入して行く。
▼点検作業日をする人々は人道危機を目の当たりにして、毎日のようにやってきた人々を迎え入れる。そして少年はパチンコが当たらない事に気づき、親にそれを訴えると右目の不具合を発見する。少年はそれ以後は小鳥をパチンコで狙う事はしなくなった。この小さな島の日常にカメラは静かに寄り添う……。映画のタイトルだが、島にはディスクジョッキー一人で運営する小さな放送局がある。「天気予報」や「きょうの停電予報」なども流している。ある日島のおばあさんが「夫の好きな曲を流して」とリクエストが入る。「いつものあれだね」「そういつもの【海は、燃えている】を頼んだよ、というのだ。将来、日本に大量の難民が押し寄せて来た場合、果たしてこのような人道的な保護をすることができるだろうか、と考え込んでしまった。渋谷ルシネマにて18日朝鑑賞する。映画館は残念な事にガラガラであった。

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