« 退院一日目の猫に振り回される。 | Main | またぞろ「先制攻撃」研究を認める。 »

March 28, 2017

高校生の雪崩事故と「八甲田山・死の彷徨」の比較。

▼昨日の朝に一報が入った高校生の、冬山登山中の雪崩事故は、お気の毒としかいいようがない。その後の報道を見ていると栃木県の教育委員会が出て来て、「登山は中止していた」とお詫びの一言もなしに自分の正当性だけを語る。おそらく教育委員長が言質を取られないための釈明なのだろうが、情けない話だ。
▼先日、日本映画専門チャンネルで「八甲田山・死の彷徨」を初めて見た。もちろん小説は読んでいたが、ロケはかなり大変だっただろうと推測される。小説は新田次郎だが、地元の研究者が書いた実録があり、それを下敷きに新田が脚色した。それには原作者から異議がでたという。弘前歩兵第31連隊と青森の歩兵第5連隊が雪中行軍訓練をしたが、悪条件の気象条件と大雪のために、山中でで迷ってしまい。大量の死者が出た事件だ。映画では、ある地点で二つの部隊がどこかで遭遇するという話になっているが、これは新田の創作である。第5連隊とはいま南スーダンに行っている部隊の前身である。先日も青森の教師にお聞きしたら青森の高校生は5人1人自衛隊に入るしか仕事がない、と仰っていた。
▼簡単に言えば弘前の31連隊は装備は完全であった。しかし第5連隊は指揮官のプライドだけは高く、地元案内人を追い返してしまう。事々左様に第5連隊は指揮官からして思想が硬直しており、柔軟に対応できず、決まった事は何があってもやる、というスタンスだった。なぜ訓練を強行したかは、きたるべき満州での寒冷地での作戦を想定していたからだ。
▼今回の事故にしても、吹雪が悪化しているので、訓練はすべて中止して引き上げるべきだった。それを強行したことに被害が拡大した原因はあると思う。それらは戦争の時に顕著に表れる。日露戦争直後ロシアの艦隊の巨大さを見せつけられ、山本五十六がこれからは「航空戦の時代だ」と語ったにも関わらず、役たたずの巨額の費用を投じて大和や武蔵をせっせと建造する。スケジュールは管理されたが、実際には何も役に立たなかった。原発も同様だ。これも規定方針で作って、世界の趨勢が脱原発で自然エネルギー志向なのに作り続ける。廃炉やデブリの取り出しなど夢の絵空事なのだ。しかしまだ40年で廃炉の可能性があるかのように描いて見せる。世界中でどこも廃炉を実現できた国は存在しない。放射能の半減期ですら10万年と言われている。だから人類が存在しているうちに放射能も核物質も絶対なくならない。
▼廃炉が現実であるかのように振りまくのは、官僚どもが、自分の在職中に「失敗」を認めたくない。自分の責任にしたくない、というのが本音なのだ。昨日の高校生が雪崩で規制になった事故を見聞きして、こんな事を考えた。

|

« 退院一日目の猫に振り回される。 | Main | またぞろ「先制攻撃」研究を認める。 »