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June 02, 2017

◇「オリーブの樹は呼んでいる」を見る。

◇「オリーブの樹は呼んでいる」いまは認知症になってしまった祖父。その祖父が大切にしていたリーブの樹を父はオリーブはスペインでなくても安いものがいくらでも入って来るので、経営は苦しい。そこでお金のために売り払ってしまう。大きな重機が運び込まれ、オリーブは根こそぎ持ち去られる。主人公孫娘であるアルマはその木を「お化けの樹」として大事にしていたので幹によじ登って抵抗する。
▼友人がネットで調べてくれるとある環境エネルギー会社のテラスに飾られているという。そのオリーブの樹を取り戻すため、スペインのバレンシアからドイツへと向かう。同行する大人の二人の友人には、「教会で引き取ったオリーブの樹は手入れが出来ないので返却したがっている」と嘘をつく。そして勤務している会社から大型トレーラーを無理矢理持ち出す。
▼20歳のアルマは気が強く扱いにくい女の子だ。しかし、オリーブ農園を営む祖父とだけは幼い頃から強い絆で結ばれていた。祖父が大切にしていたオリーブは樹齢2000年だった。アルマの父が樹を売り払ってしまってから、祖父は食事も喉を通らなくなってしまう。そんな祖父のため、アルマは樹を取り戻そうと無謀な旅に出る。途中大人の友人の家から「自由の女神像」を盗み出し、トレーラーに載せる。
▼ようやくドイツの目的の会社に着くと、果たしてオリーブの樹はロビーに植木鉢のように置かれている。見つめていると警備員に建物の外に追い出される。困っているとスペインの友人たちがネットを通じてその会社の悪行を並べ立てたてる。ドイツ中からその会社に抗議する人々が笛や太鼓を鳴らして数百人も集まって会社を包囲し抗議する。アルマは当然樹の上にしがみつく。と、その時一本の電話が入る。ロードムービーなのだが、EUでも色々温度差があることが分かる。そして派手ではないが肉親の愛と、国際連帯のようなものにも共感できる作品である。銀座シネスイッチにて。
▼今朝のツイートで辺見庸さんのツイートをリツイートしたら、数人の方がリツイートして下さった。ご存じだと思うが、マルティン・ハイデガーはドイツの哲学者で戦争中はナチスに積極的に協力していた。名著「存在と時間」は難解で一、二度読んだくらいでは到底理解できない。ただはっきりしている事はハイデガーは戦後ナチスの協力者であることから180転換してしまう。ハイデガーはハンナ・アーレントの愛人であったことも広く知られている。「アーレントとハイデガー」を読むと、」妻に内緒でアーレントの会うため苦労している話も出てくる。そして死の床にあったハイデガーにアーレントは「一目会わせて」とやってくる場面など、手に汗を握るほどで、とても面白い。余談になってしまった。
▼日本でも戦争が終わると180度態度を変えた文化人が大勢出た。加藤周一の「言葉と戦車を見すえて」を読むと京都大学を中心とする哲学者グループが、侵略戦争の論理を作るバックボーンの役目を担っていたことが分かる。上記の本の中には具体的に、中野好夫や亀井勝井一郎が「戦争に協力」した事をどのようや言い訳をしたか書いているので、一読していただきたい。

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