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February 12, 2018

「決壊 ~祖父が見た満州の夢~|を見た。

▼昨日は新宿武蔵野館に「ロープ/戦場の生命線」を見に行った。感想と内容は明日以降にご紹介する。ボスニアあたりの国際紛争地域にあってその白黒つけられない、グレーゾーンで起きた事件を解決する人たちの話だ。原作は、国境なき医師団、の人が書いた話がベースになった創作劇である。シネマの締め切りは常に決まっている。今月はあと2月22日だからそれまでに最低2本は見て選定しておかなければならない、という訳だ。自分が好きな映画より、新聞を読んでくれる人が喜びそうなテーマを探さなければならない。見に行っても納得出来ない映画は、すぐ探し出して別の映画をみなければならない、という綱渡りも年に1、2回はある。
▼このところ野菜が高くて困っている。わたしの家ではガン予防に良いとわれている、ブロッコリーを毎朝食べている。ところが雨と雪で、野菜類はもの凄い値上がりだ。鍋物をつくるとすると、魚類の素材は揃うが、野菜が入れられない事も、今後起きてくるかも知れない。2日前に近くのスーパーに行ったらブロッコリーは約400円だったので驚いた。その時はやむを得ず買ったが、今後どうするか?結論から言うと冷凍ブロッコリーにした。エクアドル産だが、一袋130円くらい。エクアドルというとバナナが知られている。ポストハーベストは分からないが、当面これでいくことにした。
▼2月10日放送された第32回民教協スペシャル 「決壊 ~祖父が見た満州の夢~|を見た。戦争中、長野県の河野村(かわのむら)で村長を務めた胡桃澤 盛(くるみざわ もり)は、国策に従い、村人を満蒙開拓団として満州国へ送り出した。しかし、ソ連軍の侵攻で戦場と化した満州で、73人が集団自決。後に、盛は村民を送り出した責任を感じ罪の意識に苛まれ、42歳で自宅の鴨居で首をつって自ら命を絶った。
▼孫の胡桃澤伸(しん)(51)は現在京都で精神科医をしているが、、大勢の村人を死に追いやった祖父、自責の念に苦しみ自殺した祖父のことを、どう受け止めていいかわからずにいた。手がかりになるのは、10代の終わりから死の直前まで書いていた膨大な日記だけだ。祖父の青春時代は大正デモクラシーに触れ、自由主義に理想を求め、30代半ばで村長となった。日記には村のために奔走する日々の心情が、生々しく綴られている。家族のため、村のため、社会のために生きたい、常に正しくありたいと願っていた祖父は、気がつけば国のため、戦争遂行のために邁進していた。長野県は満蒙開拓団に大勢の人たちが行っていた。それは村が貧しいため、現地満州に行けば極楽浄土のような世界が待っていると言われたからだ。
▼それは分村という形式で満州に村を分けるという形で行われた。その画期的な計画は長野県からも、天皇からも推奨され、名誉な事であると顕表されていた。満州にわたった人たちは土地を与えられ農作物の生産を始める。しかしそれは満州でいままでそこで生活していた、人たちの土地を奪ったから出来た事である。2017年の夏、伸さんは日記を頼りに、祖父が一度だけ赴いた中国を訪ね、足跡を辿った。開拓団が入植した村では、当時を知る長老から話を聞くことができた。そこで伸さんは長老に話を聞く.「イヤだ」という事は出来なかったのか?と「日本兵に抵抗することなど恐ろしくてとても出来ない。自分は家も奪われ草で出来た家で、草を食べて生きるしかなかった」という。
▼集団自決の地を訪ね、自害した73人の名前を読み上げる伸さん。送り火を焚き、手を合わせた。そして幼くして命を絶たれた子ども達のために持参したお菓子やチョコレートも手向ける。戦後、悼む人もなく置き去りにされてきた人々に語りかける。そして幼子は父母に手をかけれら殺され、父母もまた村民同士で殺し合った。伸さんは線香を手向け、祖父の代わりにはなれない自分が、今、慰霊する意味を見つめた。国民の命をないがしろにした国の国土拡張政策。それは個人を犠牲にしてまでも国全体の利益や一体感を優先させる思想だった。そこに積極的に関与した祖父。日記の後半は祖父の疑問が書かれている。そしれ最後のページは切り取られていた。戦後、その過ちと向き合おうとしたときの、苦しみの深さを思う。残された日記は、戦争を知らない自分たちに大切なことを伝えようとしていた。

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