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February 20, 2018

桑原史成さんの講演会に行く。

Kuwahara
(墨田区あずま図書館の読書サークルで講演する桑原史成さん)
▼今週はたくさん原稿を書かねばならない。昨日世田谷区に住む友人から我が家の方に来るという連絡があった。聴けば愛犬の具合が悪く、余命5ヶ月だと診断された。ついでは手術はここと指定されたのは、下町の我が家の前にある動物病院だった。昨日夫の車でワンちゃんはやってきて、今後どういう治療をするか検査したらしい。お土産に美味しい食パンを1本持ってきて下さった。ありがとう、バター風味でとても美味しかった。
▼土曜日は何時もの図書館でカメラマン桑原史成の講演会があった。読書というのは一人で読んでいたのでは、結局独りよがりの解釈しかできない。わたしは現在哲学と経済、国際問題を中心に2ヶ月に一度、テーマを決めて話し合う会に所属させていただいている。この会はかなり難しいので参加者は少ない。上記図書館のサークルでも参加者を募集していたので登録して来た。というのは運営に携わっている皆さんが、気合いそうだったからだ。
▼桑原さんは島根県津和野生まれのカメラマンで、水俣病を取材してから知られるようになった。農大を卒業してから写真学校に行き、水俣を知りまだ病名も原因も分からなかった頃だ。病院を訪ねて医師に是非患者さんを撮らせて欲しいと頼み込む。医者は「写真で何が出来るのか?」と問う。桑原さんは正直に「自分の名前を売り込むために」と答えて了承を貰って通い続ける。熊本放送で作成した桑原さんのドキュメンタリーと併せて2時間余の会議はとても充実していた。おりから2週間前に他界した石牟礼道子さんに関する質問もでた。これはプライバシーに関する部分もあるので書けない。労働運動家で哲学者だった谷川巌さんと公害原論の宇井純さんの最初の会話は面白かった。谷川氏が水俣を訪れた宇井さんに熊本の空の色花に色だ?と聴かれて、返答に詰まっていると谷川さんは「ブルーススカイ」だと答えたというので、お笑い。
Pandanmen
(友人からいただいたパンの断面)
▼桑原さんの水俣を撮ったもっとも有名名作品は病床に横たわる少女の眼が光っている作品だと思う。ただその写真はチッソの抗議活動に無断で使われてから、患者さんのご両親との関係は悪化してしまう。桑原さんが一番大事にしているのは、被写体になる患者さんとの関係で、どんなに時間を使っても水俣に行ったらからなず挨拶に行って話をしてくることだ。その関係が「桑原さんなら撮って貰っても構わない」という信頼関係につながる。
▼その点水俣を撮ったカメラマンとして有名になったユージン・スミスの世界的に有名になった少女の入浴シーンだ。しかし親御さんからは娘は風呂は熱くて苦しいのに、20分間もあれこれポーズを撮らされたと苦情が申し立てられ、いまでは封印されてしまった。
▼ベトナムに行った時の一枚の農村の葬儀らしき写真が紹介された。撮ったあと飛行機で帰国途中、テト攻勢を知った。プリントをじっくり見ると葬儀の一人を入れる棺にしてはかなり大きく、10人近人が引っ張っている。おそらくあの大きな棺の中身は武器弾薬だったのだろう、と説明されていた。
▼最後の自由質問で「生まれ変わったらまた写真家をやりたいか?」の質問に「同じ年代であれば家の一軒くらいはもっている。絶対やりたくない。月末にきちんと給料が振り込まれるサラリーマンになる」と仰って会場のみんなを笑わせた。

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