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March 09, 2018

のりこえネット記者会見と◇「ハッピーエンド」を見る。

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(3月8日午後「のりこえネット」の記者会見、中央が代表の辛淑玉さん)
▼下のシネマの原稿は、本稿の下書きとして昨日朝書いたものだ。本稿は下書きを極限の400字まで縮める。そうして第三者が読んでも分かるかどうか、検討して編集長に送信する。今回の2本は難解だからOKが出るかどうか?昨日はまずのりこえネットの記者会見があった。午後4時半に衆院第二議員会館だった。5日前に取材許可申請メールをのりこえネットに送った。すると「過去にネトウヨが勝手に記者会見に入って動画撮影をして、他に勝手に利用した。それを避けるために社名入りの腕章などを着用してほしい」という連絡が来た。いまある腕章に文字を入れ替えて使うか考えた。しかしわたしは文字が下手だし、まして切り抜き文字など出来ない。思い切って旧知の某社に連絡を入れ、ラインで下書きから校正までやりとりをした。8日午後に使うので間に合わせて欲しいと頼んだ。すると水曜日午前中に着き、どうやら間に合った。
▼この業界で、わたしは本名を使っていない。腕章も組織の代表と思われても困る。所属をあきらかにしただけだ。会見場で事務局長のk氏に名刺を渡して挨拶すると「あなたでしかた?」と言われる。会見は1時間20分に及んだ。YouTubeに屋内の良い画像が乗っているので、是非ご覧いただきたい。代表の辛淑玉さんの苦悩が分かる。ネットの中傷を彼女は「散弾銃と同じ傷を与える」と言っていた。会見が終わってMXTVまでは地下鉄で一駅だが、乗り換えのため、永田町の駅構内は2駅くらい歩かなければならない。半蔵門駅を出て小走りにMXに向かう。既に抗議ははじまっており、10分ほど遅れた。辛淑玉さんはこちらにも駆けつけて下さった。「抗議活動の中継を見て励まされた」というので、もしかしたら、私の中継やYouTubeをご覧下さったのかも知れない。その一言に大いに励まされた。眼は横殴り、機材も人間も濡れる。人間は防水の雨具を着れば良い。しかし機材はカメラが2台あるで、未だに決定打はない。放送局を見ているとカメラ全体を覆っている。しかし中継カメラと照明もあるので、中々思い通りにはならない。集会終了後N氏から打ち上げに誘われたが、疲れていたのでそのまま辞去する。3月8日のりこえネット記者会見: 、
◇「ハッピーエンド」英仏海峡に面したフランス北部の港町カレー。そこに住むブルジョワ家族の暮らしぶりたテーマである。85歳という高齢の父に代わって家業を継ぐやり手の娘のアンヌ。気が弱く仕事のできないアンヌの息子と、家業を継がずに医者になった弟トマと二度目の妻。そこに、トマが前妻ともうけた13歳の少女エヴを引き取ることになり、ロラン家に身を寄せることになる。
 映画はおもに思春期のエヴの視点、つまり彼女の持っているiPhoneの画面の画面を媒介に語られる。朝の洗顔、洗面、歯磨きからトイレまで几帳面に時系列で画面に写る。そして若い弟トマと新しい愛人とのチャット風景が慌ただしく、息をするヒマもなくもの凄い勢いで打ち込まれる。 
 映画の核となるのが、現代のSNS社会におけるディスコミニュニケーションだ。人間は誰もが表と裏の顔を持ち、何らかの秘密を抱えている。電子文字による通信だけで、そこに本当の対話による理解は存在しない。別荘や豪華な家に住む富裕な彼らは変わりゆく社会や人の痛みに無関心だ。彼らが雇う移民たちの問題には眼を向けようとしない。もうすぐ誕生日を迎える年輪を積んだ祖父だけは、孤独でお互いの意思疎通のできない歪んだ孫娘の心情を鋭く見抜いている。だがそろそろ人生に幕を引きたいと思っている。床屋に通うのも車いすで不自由だ。行き付けの床屋の主人に、「拳銃と弾は手に入らないか」と相談して驚かれ、断られる。
 彼が父親と理解しあえない孫娘に手を差し伸べることは、彼女たちの助けにはならないと一歩引いている。裕福な人たちはすべからくエゴイストで、感情を欠いているように見える。だが程度の差はあれ自分たちまた、彼等とそれほど遠い存在ではないと思う。
 祖父の誕生パーティも後半にさしかかったとき、祖父は孫娘に「海に連れて行ってくれ」と所望する。
 ハネケはどこまでも観客にさまざまな問いを突きつけて来る。一見それは尊大で不快な印象を与えるかもしれないが、決して高みからの「お前たちはどうなのだ」という上から目線の視点ではない。その対象には作り手である彼自身も含まれているだろう。

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