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March 08, 2018

◇「ナチュラルウーマン」を見る。

 熟年のサラリーマンオルランドは仕事を終え、マッサージルームで全身マッサージを受け、リフレッシュして町に出る。そして家に着くと、愛人マリーナと熱い抱擁を繰り返してベランダに出る。サンチアゴのめくるめくような夜の闇が迫る。ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、20歳も年の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オランドは自身の誕生日の夜、ワインで乾杯をしようとした瞬間、自宅のベッドで意識が薄れる。さらにふらつき階段から下の階に落ちてしまう。事件発生だ。マリーナは救急車を呼びオルランドを病院に飛び込む。後は病院任せになるが、その後のオルランドの容態は分からず、やがて医師から死亡が伝えられる。
 元妻へも元夫の死亡の連絡はいく。しかしその後マリーナはオルランドの死に目にも会えず、葬式の列席も許されない。そうしているうちに敏腕女性刑事がやってきて、事情聴取が始まる。女性刑事はマリーナを頭から疑っている。そして自分は大学で犯罪学の修士の資格も持っているから、疑わしい点はすべて明らかにする、と頭から疑がってかかる。
 もし二人が言い争ったなら身体に傷があるはずだ、と裸になって病院の検査による全身の撮影が始まる。重要な部分で医師は刑事に席を外すように促すが、女性刑事は頑として聞き入れない。
 マリーナはその後、教会の前で追い返され告別式にも出させてもらえない。さらに元妻と長男は二人で住んでいたアパートは、荷物はそのままにして、すぐ空けて出て行けと迫る。
 マリーナは、オルランドの元妻や息子が、なぜ自分に対して冷たく当たるのかがわかっている。彼らにとってマリーナは唯一オルランドの心の中に入り込む事ができる存在だったからだ。そんな恐怖であって、家族は告別式にも近づけさせない。偏見を持つ元妻とその家族らも自分のしている事が悪いことだと感じている。
 後半マリーナが傘をさして、強い風に立ち向かって歩くシーンがある。最後にマリーナは火葬場に駆けつけこっそりとオルランドと別れを告げる。マリーナの尊厳の高さと粘り強さ、反逆性がこのシーンに凝縮されているように感じる。映画の中で「君が何者かわからない」とマリーナに問いかけるシーンがある。それはでは貴方は自分のことがわかっているんですか?、と逆の問いかけになっている。銀座シネスイッチにて。

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