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March 15, 2019

◇「菊とギロチン」を見てきた。

▼先日飯田橋のギンレイホールで「菊とギロチン」を見に行った。菊とは天皇制の事で、ギロチンは無政府主義団体だった「ギロチン社」の事である。関東大震災の1年前から始まる。丁度甘粕中尉がアナーキストの大杉榮を虐殺した直後で、無政府主義者の血気盛んである。事件が起きたのは余談になるが、今のパレスホテルがあったトロ頃に、憲兵隊の本部があり、その井戸に大杉ら3人の遺体は投げ捨てられた。ギロチン社の復讐すべく、面々は次々テロ事件を起こす。上映して30分くらいすると、女相撲の面々が船橋の中を太鼓を叩いて興業の周知案内をして回る。そのとき写るのは千葉県船橋市行田にあった海軍の通信アンテナである。
▼このアンテナは「真珠湾攻撃」の「トラトラトラ」(攻撃せよ)の命令を出したり、関東大震災の時、海軍の「不逞の輩」として在日の人たちの虐殺命令を垂れ流した事でも知れれている。女相撲は日照りで雨が降らなかった時、降雨を呼ぶとして全国から要望が殺到したらしい、さらに戦後はハワイなどでも巡業が行われていた。無政府主義者たちの数人はこの巡業に目をつけて警察や在郷軍人会の目をのまれた。(ただし映画での話で、実際はわからない。)女相撲は巡業は船橋の在郷軍人会とも揉めたりするが、いつの間にか山形県が舞台となる。
▼女相撲は三ヶ月にわたって厳しい訓練をしたとあって、迫力は、満点である。女相撲の巡業先でのトラブルは、上記在郷軍人会の「女相撲はエロだ」という密告から始まり、朝鮮人女性力士がいたため警察に引き立てられ、「天皇陛下」万歳を強要する事件に発展していく。そして過激な一団は内務大臣の正力松太郎の暗殺を企てたり、満州国は理想の国だとして夢見てたり、爆弾を入手するため朝鮮に渡るが、騙されて失敗する。
▼最後女相撲に逃げ込んでいた妻や愛人を取り戻そうと「夫」達がやってくる。話は面白いが、とにかく3時間半は長すぎる。それに話を詰め込みすぎている。2年前の東京映画祭で評価された作品だ。最後にギロチン社の面々のその後どうなったか生涯が紹介される。

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