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June 30, 2020

新宿武蔵野館で「コリーニ事件」を見る。

▼日曜日はかなり嫌なことがあった。親しい友人にだけは話した。ツイッターも自分の画面しかみない。しかしある日トップページを見たら、ある女性が出ていた。3年くらい前はほとんど毎日話をしていたが、いつの間にか音信不通になってた。カーソルをその人の名前の上におそるおそる載せたら「フォロー」を外されていた。たんなるネット上の友達をはこんなものだろう。

▼土曜日は久しぶりに新宿武蔵野館に行く。ここで映画をみるには当日の午前0時から始まるネット予約をしなければならない。夜中までまつのは嫌なので当日午前6時に予約した。あとはスマホに送られてくるQRコードをみせるだけですべてができる。舞台は現在のドイツである。老年に差し掛かった男が右足に血を引きずって警察に出頭してくる。警察では殺人容疑で逮捕するが、容疑者の名前も、なぜ殺害したのか一切しゃべらない。その裁判に売れない弁護士が国選弁護人としてあてがわれる。しかしあまりやる気のない弁護士でナンパをするばかりで仕事に力が入らない。なんだそんな映画なのかと思って見ていた。ところが、鑑定人に殺害に使った銃の鑑定を依頼すると意外なことが分かってくる。使われた銃はワルサーp38だという。しっている人はわかるだろう。大藪晴彦の小説で「狂銃ワルサーp38」というタイトルがあったような気がする。つまりナチスの陸軍制式拳銃である。鑑定士は「この銃は旧式で反動が強く今は販売されていない」という。弁護士は「ならば通販などでは手に入るか?」と聞くがわざわざ旧式の銃を求める気持ちが依然としてわからない。すると容疑者の戦前の行動に何か関連があるらしいことが分かってくる。

▼事件は1938年ころの戦前のイタリア、ピサの近くの町で起きていた。つまり当時イタリアを占領していたドイツ軍は味方の兵士がパルチザンに殺された場合、ドイツ兵1人に付き、イタリア人10名を銃殺するという内容だった。男性の村人を一か所に集め銃殺しようとする。その中に父親を連れていかれた少年がいた。一回目の銃殺で父親は致死傷にならなかった。ナチスの下士官は部下に自分の持っていたp38を抜いて渡し、とどめで射殺するように命じる。その息子は下士官の捕まえられ「強くなれ」と射殺する瞬間を目視するよう強制するのだ。息子は「パパーパパー」と泣き叫ぶ。息子は戦後もそのことがトラウマになっており、長い間復讐をしようと思案してきた。そして下手人をついに探し出し、眉間にp38を突き付け父親が受けた屈辱を晴らすように射殺する。そして頭蓋骨を踏み潰す。右靴には脳漿もこびり付いている。これが最初のシーンにつながる。

▼若手弁護士は戦争中の犯罪の無念を晴らすことは違法ではないと主張する。しかし1968年アデナウワー西独首相のとき、ナチスの戦争犯罪は訴追できないという法律を作ってしまう。ある意味では日本よりもひどい。相手(ナチス擁護)側弁護士は、よって射殺犯は有罪であるという判断をするよう裁判長に迫る。裁判長は困ってしまうが「被告は有罪」という判決を出す。しかし容疑不十分で留置されていた元少年はそれを知って自殺してしまう。という衝撃的な映画だった。見た直後ツイートしたら武蔵野館がリツイートしてくださった。日本の戦争犯罪も日本人の手によって何一つ明らかにされていない現在。しっかり考えないといけない。

▼1年に一度くらい本を整理しないと床にあふれてしまう。昨日かなりの量をブックオフ持ち込んだ。販売金額にして2万円くらい。引き取り価格はなんとたった、125円だった。ブックオフでは寝ながら読む大衆通俗的なものにしか価格はつかないらしい。

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