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December 13, 2020

宮本顕治著「敗北の文学」を拾った。

▼いろいろあって猫を2匹飼うことにした。最初は自治体の関連する猫保護施設に登録して、ネットに出ている1匹を申し込んだ。しかし夫婦とも高齢であることを理由に「同居する成人を連れて面会に来い」と言われた。成人は仕事で深夜に帰宅するので、時間調整が難しかった。それに保護した猫を飼い主を探すため、首輪をして夜間路上を散歩したことを理由に、はっきり「不適格者」にされてしまった。後者で言えば、ハーネスとひもをつけていたから逃げだす心配も危険もなかった。それに夜間散歩のお陰で、ひと月保護していたため、飼い主を発見して返却できた。猫も飼い主も幸せになったはずだ。

▼諦めきれず、猫の保護活動をしている団体を見つけて、家族そろって訪問した。2週間くらい、習熟期間として②から日置きに猫の面接に来てほしいと言われた。その経緯は一度書いた。こちらがよほど猫好きであることを責任者に見破られ、「もう一匹、(つまり2匹)引き取って欲しい」と頼まれた。それで私鉄電車で一駅の保護センターにずっと通い続けた。昨日は最後で多少時間に余裕を持たせ、終点の駅から約10分の道を歩いた。すると年末のせいか「不要の本をお持ちください」と表示があり、50冊くらいの文庫本が並んでいた。その中に「白川夜船」(吉本ばなな)「下町」朝日新聞、「敗北の文学」宮本顕治があったので、この3冊を抜き出した。「敗北の文学」とは宮顕治が若いころ書いて文芸雑誌「改造」の懸賞募集に応募して1席に入選した論文であった。この時1位は小林英雄の「様々なる意匠」だった。論文は自殺した芥川龍之介批判である。

▼芥川氏は病苦の中に、「この社会に対する恐れ」が強く影を落としていた告白を、我々はここに聴くのだ。(中略)私はもう結論してもいいだろう。芥川龍之介氏の文学の「最後の言葉」は、社会生活における人間の幸福への絶望感であった。昭和30年発行の河出書房の文庫本の価格は60円。奥付には朱肉で「宮本」の印鑑が押印してあった。価値の分かる人ならば数千円で欲しがるに違いないだろう。

▼本書は大昔一度読んだことはあるが何も覚えていなかった。亡き父は芥川の「杜子春」が大好きで毎晩、毎晩読み聞かせられた。これもわたしになにを言いたかったのか、まったくわからない。さらにその習慣は妹へも、さらにその子(孫)たちへのつづけられたという。

▼それで肝心の2匹の猫ちゃんは午後6時に保護センターの人がもってきてくれる。「危険だからケージで飼ってくれ」というので家の中は巨大は2匹のケージが鎮座している。さらに家の前にはこの地域では有名な動物病院がある。世田谷に住む友人も近所の獣医の指示でここまで愛犬を治療に連れて来た。動物病院の壁面も4年ぶりにクリスマス・イルミネーションが昨日の朝5時に点灯し始めた。写真は撮ったがそのまま掲載すると、私のいる場所が分かってしまうので加工してからご紹介する。

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