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December 16, 2021

真珠湾80周年関連番組を録画して一応全部見た。

▼年末の仕事で目が回るほどの忙しさだったが、真珠湾攻撃関係の作品はすべて見た。「トラトラトラ」長いが通して見た。最初からハルノートは受け入れられない、という前提で日本軍は動いていた、本国からの電報の清書をアメリカ人雇用者に頼むわけには行かず、交渉団の一員が二本指でパチパチとタイプで清書している間にアメリカは日本の秘密電報をすべて解読していた。だから映画でアメリカはだまし討ちを演じているのは不自然である。近年でもアフリカで爆発テロで米兵が3000人くらい死亡したことがあったがそれとて国益を優先するために、「負け」を演出することくらいは朝飯前でである。だから映画の中ダイヤモンドヘッドの頂上にレーダーを作ろうとしたが環境団体の抗議で工事が遅れたから、日本軍の急襲を知り得なかったというのも嘘である。「不意打ちで卑怯な日本軍」をことさらに演出しているのだ。

▼毎週やっている中野という女性脳学者がでている2時間番組は、どうして日本は戦争に突っ込んで行ってしまったか?という番組の分析は一番優れていた。天皇の弱気なところと、自分の意見(つまり早期収拾)論の味方を作れなかったところが最大の弱点であった。大体山本五十六が燃料不足を見抜いていた。しかも戦争が始まる前はアメリカから大量に輸入していた。山本自体これからは航空戦になる、と見抜いていたのだから「緒戦の勢いだけで勝てる」と空想していた軍部の幹部こそお人よしとしか言えない。

▼10日頃NHKではアメリカのガンカメラの分析をしていた。アメリカの航空機はプロペラと同じ位置に動画カメラを設置して爆撃の効果を検証していた。そのフィルムを見ればアメリカ軍が、どこで何を狙っていたがすべて分かる。時に逃げまどう人が、民家や工場が狙われている。アメリカは爆弾の性能を上げるためにナパーム弾の原型を作り上げる。ナパーム弾動いているものを見つけてすべて焼き尽くす。生物が爆弾の下にいれば空気を断って焼き尽くす。ベトナム戦争の例を見るまでもなく、実験では生きた犬を拘束して爆弾を投下して焼くのだ。このとき捕獲された犬は針金で縛られていた。つまり酸欠状態を作り出していたのだ。

▼最初利用したのはフィリッピンだった。もはやアメリカはフィリッピンは日本を匿うジャップの味方だと認識していた。だから森や家、野原ごとフィリッピン人を焼き殺していた。さらに不思議なのは台湾では工場を狙って爆破していた。何故か?日本軍は飛行機の燃料が足りなくて困っていた。軍部が考えたのは松根油だけではなく、台湾のサトウキビを絞って取ったアルコールを燃料に混ぜて使うことだったのだ。戦後分かった事はアメリカはそれを探り出し、製糖工場を狙って無差別爆撃をしていたのだ。だから飛行機の機首にあるガンカメラでは民家だけではなく、フィリッピンや台湾の工場まで無差別攻撃の対象となっていたことが分かるのだ。

▼学者はアメリカ軍のガンカメラの映像を取り寄せ地図と現在の地形を比較して場所を特定していたが地道な作業だと思った。

▼さらに驚いたのは千葉県香取郡にも特攻隊の基地があったこと。これは硫黄島がアメリカ軍に占領されそうになったとき、8時間かけて攻撃に向かったという話だった。

▼ユージン・スミスの従軍記者日記も見た。彼はカメラマンで身を立てたかったのでアメリカで学校に通って腕を磨こうとしていた。まず米軍の従軍記者になる。身体をはって撮影するのだが、撮ったフィルムがすべて使われない事がわかる。彼の移動の場面を見ていると右手に小型で薄っぺらいタイプライター状の機械を持っている。おそらくこれはどこに移動してどういう写真を撮れという無線電信の受信機なのだろう。軍の回線を使い指示・命令を確実に伝えるほうほうだったのだろう。アメリカ人の肉筆なんぞ読めないのだろう。確実な伝達命令だ。彼は沖縄戦にも従軍し近くで日本軍の砲弾が爆発して、映画でも分かったが手指がまともに動かなくなり、口でシャッターを切っていたのは現実の話である。映画と写真はすべての出来事で軍報道部の検閲が存在する。考えて行くと使われないのは「負け戦」「米兵の死体が乱暴、乱雑に扱われている」写真は絶対に使われないことが分かって来る。そこで弱者に寄り添う写真を撮るように心がけるのだ。ドキュメンタリーには妻だったアイリーンも出ていた。アメリカの公文書館にはたくさんの使われなかった写真も大量に保管されているが、誰が撮影したのか見当もつかなかった。ただその弱者に寄り添うという視点はミナマタを撮影するときに生かされてくる。

▼日本もアメリカも案外いい加減なところがある。例えばオスプレイを攻撃機だとか爆撃機という人がいる。しかしアメリカ軍の分類では輸送機だ。UH 1だとかAH1の様に砲はそれほど性能が高くない。ヘリは乗り降りする時に一番攻撃されやすい。その時の防御用の機関銃かバルカン砲くらいである。先週土曜日アメリカの犯罪再現ドラマを見ていた時の事である。夫婦中が悪くなり、妻は夫が邪魔になる。護身用に用意してあった22口径ライフルで夫を殺害したらしいと警察は予測する。しかしTVに出て来たライフルはボルトアクションで自動ではない手動だった。さらに弾丸に至っては22口径ではなく30口径の件銃弾だったのはお笑いである。アメリカにも日本にもそういうことを検証する人は一人もいないようだった。

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