June 09, 2005

DVD「fidel&che」を見る

▼「脳が殺す/連続殺人犯:前頭葉の秘密」ジョナサン・H・ピンカス著 光文社 1900円
 8日学校の講師控え室で校長のS先生がわたしに「どんな本がお好きですか」とお聞きになる。わたしは戦記もの、戦車、小火器、ナチス、ヒットラー、とくにスターリンの翻訳されている物は全部読んでいると思いますとお話しする。もちろんS先生のご専門の、アメリカの少数民族にも興味があります、と答えた。するとS先生はご自身は殺人者の理で、どういう経緯で「殺人を犯すのか」にご興味がおありだとおっしゃった。本書はかつて言われていた、殺人者には殺人のDNAがあるのだろうか?という指摘を論破して、殺人を犯した人たちや死刑囚に直接インタビューしたり、殺人者の頭脳を司法解剖した医師たちから聞き取りして原因の一つは「前頭葉」にあるのではないかと推測する。そして暴力殺人をした人たちは、幼い時から育てられた環境によることが多分に多いのではないかと考える。それは両親による暴力や折檻、強制行為によって暴力の連鎖が生まれる。そして抑圧されることが、自分が生き残れること=それが何かの拍子に逆に作用し、幼いとき受けが行為がフラッシュバックして、相手を徹底的に打ちのめす行為になる。著者は犯行を行った人々の多くが犯行直前の行為がまったく「記憶にない」点に注目し、「前頭葉」が損傷していたのではないかと言う。
▼◆「カストロとゲバラ」(原題「fidel&che」)レンタルビデオ店にあった新着のDVDだ。ゲバラを演じたのが「モーターサイクル」でゲバラ役のガエル・ガルシアだったので借りた。だが髭を付けるとカストロ役の方がよりゲバラに似てくる。ホセ・マルティエの銅像にアメリカ兵が小便をしたことから、民衆の怒りを買う。キューバで若手弁護士をしていたカストロが、オルトドクソ党を組織してモンガダ兵舎襲撃をし、フロリダに島流しになってからゲバラと偶然出会い、グランマ号に乗り込んでキューバに辿り着く。だが待ちかまえていたバチスタの沿岸警備兵によって全滅に近い攻撃を受ける。だが二人は敵の武器を奪い、村を支配していた「悪者」たちを公開処刑にすることで、農民を「味方」に付けていく。政権を奪取してからのカミロ・シェンフェゴスが行方不明になったり、対ソ政策を巡る内紛がおきる。対立者には容赦ない「処分」を主張するゲバラ(この辺の描き方は怪しい)。そしてアフリカに行ったとき歯に衣を着せない調子で、ソ連批判演説をしてから、カストロと決別する事になる。そしてボリビアと、キューバの歴史を、カストロを巡る実在の二人の女性の目を通してかなり正確に描いている。悪く言えば抑揚がないが、それでもジーンとなる場面がいくつか出てくる。だが最後は現実のブッシュ親父が登場して「ボート・ピープル問題」で「反キューバ」演説で終わるので、なーんだ、と思ってしまった2時間のドラマ。

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May 27, 2005

●「植民地神社と帝国日本」を読む

▼このところかつてスカイパーフェクTVで放映された、「攻殻機動隊」TVシリーズのDVDが近くのレンタルショップにあることが分かったので4巻8話まで見た。マンガとも映画とも草薙素子少佐のイメージが違いすぎてイマイチ面白くない。バトーの声は「ER」のピーター・ベントンと同じ声だ。見ている範囲では外の敵との戦いではなく、内なる人間の怨念とか・情念はロボトミーの世界になっても永遠に続くというようなテーマに感じられる。
▼今朝の森本毅郎スタンバイは小泉首相の靖国参拝を巡って中国副首相の取った態度をどう思うか?というような内容だった。相変わらずテーマの設定の仕方がずれているわい、と思ってそのことは番組のサイトからメールで意見を書いて送った。さて読み終わった本。
▼●「植民地神社と帝国日本」青井哲人著 吉川弘文堂館 9500円
 本書は1970年生まれの著者が京都大学工学部在学中の学位論文に多少手を加えたものだから、読み物としてさほど面白くはないが、今日的状況において貴重な研究であると思う。日清戦争後日本は植民地とした台湾、中国、朝鮮(本書に取りあげられているのは)に日本の帝国支配を徹底させようとして、かなり大きな神社を意識的に建築し始めた。では明治期になって、なぜ多くの神社に隣接して神苑が作られなければならなかったか。中島節子という人は神苑は2種類に分けられるという。その目的とは1)境内の荒廃回復、2)神社としての尊厳の創造、3)参拝者のための施設の充実であった。同時に各地で有志による「○○保存会」、「○○協力会」といった神社周辺の景観保全を目的とした地域的運動が組織されていく。これらは一種の環境保全運動であるが、そこには国家神道体制を背景とする敬神思想の浸透、日清戦争・日露戦争と連動したナショナリズムの高揚、あるいは官国弊社への官費・公費補助の一般化といった背景と重なっていく。著者は戦前の遺物がわずかながらかすかに残っている、台北と韓国の南大門に作られた京城神社に些細な分析を加えている。とくに後者では京城府の鎮守として、日本国内と同じように例大祭まで行われている。切り抜かれた新聞記事によれば「延々5町にわたる、氏神様渡御」という大きな見出しが付けられている。これを運営するために氏子規約までつくられ末端区域では「町内氏子総代」が選出され、区は各々20人の「大総代」が決められた。その上の位にこのピラミッド状の階層組織は、神社費を徴収するシステムになっていた。またこの組織系統を範として、京城府では1916年9月に府と各戸各人との間を媒介し公共事務を補佐させるべく「町洞総代」を置く規則を定めている。つまり京城神社の氏子の組織系統は、ほぼそのまま上意下達式の行政末端機関になっていた。
▼きょうからゲバラの青春時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリー」のDVDがレンタルショップで貸し出し開始になります。

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February 21, 2005

コダーイの無伴奏チェロソナタ

▼昨日の続報、福神橋の事故のことだ。夕方かえるとき橋を渡ろうとしたら、新に大きな信号機が設置されようとしていた。警察も『鍵盤乱麻』で書いたことと同じことに気付いたのだろう。橋の上が全面的にスクランブルになるのではないかと睨んでいるのだが、どういう白線が引かれるか明日以降の続報をお待ち頂きたい。
▼土曜日にご紹介した「運命を分けたザイル」の中で滑落した登山家ジョーは這うようにしてキャンプに向かう。書いたように20分事に腕時計を眺めて目標を確認する。1回だけ時計のメーカーがカシオであることが分かる。それもGショックなどというゴツイものではなく、わたしが腕につけている5000円のカシオよりも安く、かつシンプルなものだ。何故か?時計売り場に行くと、やれ登山に適している、ハードな使用に耐えると称してGショックシリーズが堂々と売られている。しかし考えても見て欲しい。登山のは荷物はできるだけ軽量でなければならない。そのために初期はマニラロープのような重いザイルから、ナイロンザイルになって登山を楽にしている。それは映画を見ていればウェアでもフリースの素材から、ゴアテックスなどの雨具まで革命的な変化を遂げている。そこに時計だけ重くて良いはずがない。余分なものを捨てて、燃料や食料、電池を少しでも多く持たなければならないのだ。そこでGショックなどというまがい物がウソだという事が分かってくる。
▼まがい物と言えば、わたしはみのもんたも大嫌いだが、占い師の細木数子も大嫌い。それに民放では行方不明になった人を探すのに諸外国から「透視術」の「専門家」をスタジオに登場させることだ。もしそんなに当たるならば、各警察署で警察官を数人減らして、そういう人を雇用すれば、捜査に役立つのではないかと考えてしまう。
▼昨日夕方図書館に行ったらCDコーナーにコダーイの「無伴奏チェロソナタ作品8」があった。演奏はヨーヨーマだったので迷わず借りてきた。わたしがこの曲を最初に聴いたのは、シュタルケルが若かりし頃に演奏したモノラル盤のレコードだった。若さに任せてバリバリ弾きまくるので、弦がが切れはしないかとヒヤヒヤして覚えがある。借りてきたヨーヨーマの演奏はダイナミックで、あくまでも艶やかであった。

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