DVD「fidel&che」を見る
▼「脳が殺す/連続殺人犯:前頭葉の秘密」ジョナサン・H・ピンカス著 光文社 1900円
8日学校の講師控え室で校長のS先生がわたしに「どんな本がお好きですか」とお聞きになる。わたしは戦記もの、戦車、小火器、ナチス、ヒットラー、とくにスターリンの翻訳されている物は全部読んでいると思いますとお話しする。もちろんS先生のご専門の、アメリカの少数民族にも興味があります、と答えた。するとS先生はご自身は殺人者の理で、どういう経緯で「殺人を犯すのか」にご興味がおありだとおっしゃった。本書はかつて言われていた、殺人者には殺人のDNAがあるのだろうか?という指摘を論破して、殺人を犯した人たちや死刑囚に直接インタビューしたり、殺人者の頭脳を司法解剖した医師たちから聞き取りして原因の一つは「前頭葉」にあるのではないかと推測する。そして暴力殺人をした人たちは、幼い時から育てられた環境によることが多分に多いのではないかと考える。それは両親による暴力や折檻、強制行為によって暴力の連鎖が生まれる。そして抑圧されることが、自分が生き残れること=それが何かの拍子に逆に作用し、幼いとき受けが行為がフラッシュバックして、相手を徹底的に打ちのめす行為になる。著者は犯行を行った人々の多くが犯行直前の行為がまったく「記憶にない」点に注目し、「前頭葉」が損傷していたのではないかと言う。
▼◆「カストロとゲバラ」(原題「fidel&che」)レンタルビデオ店にあった新着のDVDだ。ゲバラを演じたのが「モーターサイクル」でゲバラ役のガエル・ガルシアだったので借りた。だが髭を付けるとカストロ役の方がよりゲバラに似てくる。ホセ・マルティエの銅像にアメリカ兵が小便をしたことから、民衆の怒りを買う。キューバで若手弁護士をしていたカストロが、オルトドクソ党を組織してモンガダ兵舎襲撃をし、フロリダに島流しになってからゲバラと偶然出会い、グランマ号に乗り込んでキューバに辿り着く。だが待ちかまえていたバチスタの沿岸警備兵によって全滅に近い攻撃を受ける。だが二人は敵の武器を奪い、村を支配していた「悪者」たちを公開処刑にすることで、農民を「味方」に付けていく。政権を奪取してからのカミロ・シェンフェゴスが行方不明になったり、対ソ政策を巡る内紛がおきる。対立者には容赦ない「処分」を主張するゲバラ(この辺の描き方は怪しい)。そしてアフリカに行ったとき歯に衣を着せない調子で、ソ連批判演説をしてから、カストロと決別する事になる。そしてボリビアと、キューバの歴史を、カストロを巡る実在の二人の女性の目を通してかなり正確に描いている。悪く言えば抑揚がないが、それでもジーンとなる場面がいくつか出てくる。だが最後は現実のブッシュ親父が登場して「ボート・ピープル問題」で「反キューバ」演説で終わるので、なーんだ、と思ってしまった2時間のドラマ。
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